道具の選び方

【職人はこう選ぶ】塗装作業のローラーの選び方

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塗装作業しようとしていざローラーを選ぶとき、ローラーの毛の種類が多くてどのローラーが良いのか?と悩むことはありませんか?

今回はそんな種類が多くて選ぶのに迷うローラーの選び方を紹介していきたいと思います。

そんなローラーの選ぶ方法を紹介する私はというと、塗装職人歴が10年を超えた1級塗装技能士です。とはいえ世の中にある全ての塗装工事を網羅するほどの経験はないので、大まかにローラーの選別方法紹介していきますね。

そもそものローラーの種類の違いはなんなのか?

ローラーを選ぶといっても、そのローラーごとの違いが理解できないと適切なローラーを選ぶことができません。まずはローラーの違いについて少し覚えましょう。

ローラーの違い
  1. インチサイズ
  2. ローラーの芯サイズ(ミドル・スモール)
  3. 毛丈
  4. 毛の種類

ローラーの違いは大きくこの4つで構成されています。それぞれもう少し詳しく紹介します。

インチサイズ

ローラーのインチサイズというと、ローラーの横幅(全長)のことをインチサイズといいます。このインチサイズも現在は非常に多くの種類があり、2インチ~8インチくらいまであります。現場の職人さんでも使ったことがないサイズも存在するはずです。

そんな私の場合はというと

  • 3インチ
  • 4インチ
  • 6インチ
  • 7インチ

上の4種類しか使ったことがありません。数年前まではここまでの種類はローラーはありませんでした。そして今までの一般的なローラーサイズは4インチ、6インチ、7インチの3種類しかなかったんです。

ローラーのインチサイズが増えた要因

少し脱線しますがインチサイズが増えた要因があるので少しだけ紹介させてください。

そもそもローラーは素人の方でも塗りやすく広範囲が塗れることを目的になってきました。また、ローラーとは違い刷毛塗りは案外技術の違いがはっきり出る塗り方で、ローラーから比べると刷毛は扱いにくいものです。

職人の方は基本的に「刷毛塗り」と「ローラー塗り」を使い分けて現場を仕上げていきます。ですがその刷毛塗りに技術の差が出てしまうため、技術習得に時間がかかってしまいます。その差を簡単に埋める用途で出てきたのが、ショートサイズの通称ミニローラーの2~3インチローラーの普及です。

ミニローラーが出現したことで、職人の中にも刷毛はいらないからミニローラー使わせてなんていう職人もいるくらいです。

話がそれたので本題に戻ります。

ローラーの芯サイズ(ミドル・スモール)

ローラーのインチサイズの次は、芯のサイズについても紹介していきます。今回は上で紹介したミニローラー以外の「ミドルローラー」と「スモールローラー」について説明しますね。

ミドルとスモールの違いは、ローラーの芯のサイズの違いです。スモールの場合には1~1.5cm程度で、ミドルだと2~2.5cm程度のサイズに違いがあります。

ローラーの芯のサイズが何に影響するのかも紹介します。

ローラーの芯サイズの違いによる影響

ローラーの芯サイズの違いによる影響は大きく2つに分かれると思います。

  • ローラー1周あたりの面積の違い
  • ローラーの塗面との高さの違い

現物のイメージを準備できないのが申し訳ないですが、少し説明しますね。
実在するローラーで「7インチミドルローラー」というものと「7インチスモールローラー」というローラーがあります。この違いはどこにあるのか?というと先ほど紹介した通りローラーの芯のサイズが大きいか小さいかという違いです。

でその両方を使い比べた時に何が違うのか?私はメーカーの回し者ではないので、数字的根拠では説明できませんが現場の実体験で紹介します。

同じインチでミドルとスモールを使い分けると、確実に1回の塗布面積がスモールの方が小さくなります。現場では何度も繰り返し塗るので、体感レベルで確実に違いが分かります。計算が得意な方だと、外周の表面積を計算すると結果が出ると思いますが、ここではそこまでしません。

それともう1つミドルとスモールの違いである塗面との高さの違いについてです。これが正直職人にとっては小さいようで大きな違いあるんです。何が違うかというと、段差の凸凹に対する塗料の塗り込み量がはっきりと違います。もちろん段差にも種類があるので、一概にこのローラーがいいとかは言えないんですけどね。

段差の凸凹に対してスモールローラーの芯は小さいので、段差の凹凸をよく拾います。ということは段差の部分に塗料を塗りこむ場合には効果が高いということです。逆にミドルローラーはというと、芯が大きいので段差の凹凸を拾いません。段差に塗り込む場合には拾わない分塗り残すケースが多いです。

ですがミドルローラーの場合は段差を拾わないので、安定して塗り進めるには効率がいいという利点もあるので忘れないようにしましょう。

段差の凹凸の話が出たので少し補足すると、凹凸の塗り込みには少し職人的な塗り方のコツもあったりします。その他に、凹凸部分の色の塗分けする「2色塗り」や「3色塗り」などもあったりします。今回はそこは省略します。またの機会に

毛丈

そして最後になりましたが、ローラーの毛丈に関する違いを紹介しましょう。

毛丈ってそもそも何?という方もいると思うので簡単に説明すると、毛丈はローラーの芯からローラーの一番外側の毛までの長さを毛丈っていいます。説明するまでもなかったでしょうか?

毛丈も非常にたくさんの種類があって、メーカーによってもサイズの違いがあります。一般にはというサイズもあまりないので、ざっとサイズの幅を紹介すると4mmくらいから30mmと非常に細かく設定されています。

一般の方が塗装作業で使用するのあれば18mm前後の少しふんわりしているローラーが扱いやすいと思います。毛丈が短くなるとかなり繊細なローラー操作が必要になったり、逆に毛丈があまりに長すぎると塗っていてやぼったい感じがします。

使い分けができないうちはまずは真ん中からという感じですね。

毛の種類

毛の種類は今は一般的にはマイクロファイバー系のローラーが多いと思います。ただそのマイクロファイバーもメーカーやローラーのブランドごとに特徴があって、使いやすいものや使いにくいものさまざまあります。

一般の方からすると高級なローラーな部類に入るかもしれませんが、私たちがよく使うメーカーは「大塚刷毛」か「好川」を使いことが多いです。最近は特殊な現場用に「タイホウ」のものを使うことも増えてきました。

完全に私たちの会社基準ではトタン屋根は「好川」外壁、鉄骨、その他一般は「大塚刷毛」特殊な外壁には「タイホウ」といった感じの簡単なすみ分けがあったりします。

それでも毛の種類も現場ごとに使い分ける以外に試し塗りして選ぶことも多いので、これにはこれです!という正解がないものだったりします。

ローラーの選び方

だいぶローラー自体の話が長くなってしまいました。本題のローラーの選び方を紹介していきますね。ですがこれが正解ではなく、あくまで参考程度に選ぶことをおすすめします。

実際の現場の職人も同じように複数のローラーを常時持ち歩いて現場によって選び、なおかつ試しながらローラーを選別しているからです。では始めます。

広範囲の平面を塗る場合

広範囲の平面を塗装する場合には、個人的なおすすめ7インチミドルローラーが作業効率が良いのでおすすめできます。ただ素人の方が塗るのであれば、7インチミドルは若干使いづらさがあるローラーだと思うので、その時は6インチスモールが良いかと思います。

7インチミドルが使いづらい理由

7インチミドルは広範囲を大量に塗るのに向いたローラーです。その代わりとして、大量に塗れる分ローラー自体が塗料を含んで重くなります。その結果として7インチミドルは長時間作業するとローラーが重く、疲れる、扱いづらいということになります。その辺は職人の筋力スゲー!って感じですが。

細物などの平面を塗る場合

細物などの平面を塗装する場合には、4インチスモールがおすすめです。ただ、塗りものによっては3インチなどのミニローラーの方が効率が良かったりするので、塗りものとローラーサイズを比較して検討しましょう。

あえて触れなかった毛丈

ローラーの選び方であえて触れない毛丈ですが、これもコレがおすすめです!と言えない原因が全ては塗りものによって違うからという理由です。

簡単な選び方としては15㎜丈を基準に、塗り物が細かい時には毛丈を短く、大きいものには毛丈を長くするのが良いと思います。ただし、これも効率的に塗装するためにあえて毛丈の長いものを選んだり、仕上がりを意識して毛丈の短いものを選択するなど条件によって答えが違うのでここでは細かく触れたくありませんでした。

あとがき

今回は簡単そうで案外奥が深いローラーの種類について紹介してみました。少しでも参考になる情報が提供できていたら幸いです。

少し会社の仕事の種類によって紹介の仕方に偏りがあるかもしれませんがご了承ください。

今回もここまで読んでいただきありがとうございました。

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