低価格で高耐久のサンダーことディスクグラインダーの刃ってなに?と聞かれるとカップブラシかな?と私は答えます。そんな私は塗装業界歴11年目の現役の塗装職人です。いちを国家資格の1級持ちでもあります。
そんなことはさておき、サンダーの刃の話を進めましょう。
カップブラシって実際現場でどう?
コスパを意識して一番耐久力が高いサンダーの刃ってなにか気になりますよね。結局それはカップブラシって答えで着地するんですけど、じゃあケレン作業としてそれは効率的なのか?しっかり剥げてくれるのか?という視点で見ると、めっちゃ雑っ魚!となるのがカップブラシなんです。
えっ?カップブラシって調べるとワイヤやら鋼材なんかを使用したものだから、ケレンで削る作業ではめっちゃ強いでしょ!って思われると思います。YouTubeなんかでケレン関係やディスクグラインダー関連の動画調べてみると、カップブラシの多いこと多いこと。それだけカップブラシ本体の安さと耐久力に、惚れている経営者やら現場の作業員の方が多いんだなという印象です。
ひとまず現場のケレンの話を聞いてくれ
私の会社はトータルのコスパを優先して作業している会社なこともあり、サンダーの刃が多少高くても、人件費+作業時間+作業効率+サンダーの刃の総額を考えて、最大のコスパになる組み合わせを常に探求してます。
そうなると「人件費+作業効率」という点はある程度の職人になると、ほぼ変わらないレベルまで上がります。
そうすると変化する部分は「作業時間+サンダーの刃の価格」という点になります。ざっとサンダーの刃は安いものだと100円くらいから、高いと3000円超くらいの価格差があります。作業時間に関してはカップブラシを使用している頃から比べると、今現在は1/3くらいの作業時間でケレン作業が完了します。しかもカップブラシから比べて、ケレンの仕上がりも2~3種ケレンから1~2種ケレンレベルまでと、1段階レベルが上がった状態で作業時間の短縮に成功しています。
そんなこと言われるとどんな刃使ってるのよ!ってところが気になりますよね。今現在メインで使用しているのは錦で製造販売しているプライムグリッドという刃を使用しています。
こちらの話は一旦置いておいて、コスト面の話をもう少しだけします。
先ほどコスパを意識する上で「作業時間+サンダーの刃の価格」がカギになると言いました。そしてざっとサンダーの刃の価格差が3000円程度ということになります。では作業時間にかかる人件費は?ということになりますが、ざっと職人の日当が1万円だと仮定すると、今現在作業時間が半分以下に短縮できています。そうなると、単純計算で5000円以上のコスト削減に成功しているということです。そのうえケレン後の仕上がりもいいという状況。
では2倍作業時間がかかってしまうと、結局安くて高耐久のサンダーの刃を選んでも、人件費でコスト高になってしまう計算になります。案外現場で浪費につながるのが人件費というのも、経営者常識としてありませんでしょうか?
ではではコストの話はここまでにしておいて、サンダーの刃について少し話を進めます。
現場で主戦力のサンダーの刃は?
宮城県の錦で製造されているプライムグリッドが、今現在わが社のメイン装備になっています。
このプライムグリッドも改良型で、以前製造されていたものは価格が少し安く抑えられるんですが、消耗が早すぎて1つの現場で使用する個数が多すぎる欠点がありました。その点改良型のプライムグリッドはメーカー発表で3倍程度の耐久性がアップしているらしいです。ぶっちゃけ現場では3倍も違うほどの体感での違いは感じませんでしたけども。
ここまで話した内容をざっと復習すると
- ケレン作業の熟練度は職人のレベルが上がると大差がない
- サンダーの刃は価格差が3000円程度の開きがある
- サンダーの耐久度も天と地ほどあるけど、作業効率もだいぶ違う
といった内容を話してきました。ここまで読むとならサンダーの刃買えたらコスパ良くなるのね?ということで終わるんですが、さらにわが社は改良を重ねた結果、作業時間を最低でも1/2以下にすることができました。
ここにたどり着いてここまで読んでくれたあなたのために、出し惜しみせずにもう一つお得な話をしますね。
さらにコストを削減する方法の紹介
わが社ではディスクグラインダーと呼ばれるサンダーの方も変更して改良しました。
私が会社に勤めた時はというか、今現在もそうなんですが最大出力960W(ワット)のモデルが塗装業界のケレンで使用するディスクグラインダーの主流でした。なんとも思わず先輩職人たちと同じく960Wのディスクグラインダーを使用して、ケレン作業をしていたんですがこれがまた削れない。
作業時間の大半がほこりやらゴミまみれになるケレン作業だったこともあり、なんとか改善できないかとかなりストレスを感じるポイントでした。
少し脱線しますが、私はもともと工業高校卒で電気科に在籍していました。そのうえ、高校現役での電気工事士1級合格という資格持ちでもあったので、少しだけ電気系統に詳しかったんです。ということで、少しディスクグラインダーについて調べてみることにしたんです。そうすると同じ960Wモデルでも2種類販売されているし、その他にも最高出力が異なるモデルまであることが分かりました。
会社の人たちは電気関係はまったくの無知という状況だったので、1人で黙々と仕事と帰宅後の情報収集で、ケレン作業の改善を検討していました。そうすると実は会社にも、960Wモデルの2種類のタイプ違いがあることがのちのち分かったんです。ということで実際に2種類を使い分けてみて、どっちが使いやすいのか調査すると「低速高トルク」というタイプのものが、ケレン作業には向いていて作業時間が短縮できることがわかりました。
そのあと自主的に高出力のディスクグラインダーを購入してみて、ケレン作業に影響があるのか検証してみたんです。この段階で入社から10年近く経過していましたがね。その結果960Wを超える高出力のディスクグラインダーは、さらにケレンの作業時間が短縮できることが判明したんです。そのうえ、まさかのサンダーの刃の消耗も抑えられるというとんでもない結果までついてきました。そうなると
- 作業時間は短縮できる
- サンダーの刃の消耗も抑えられる
という一石二鳥の結果が待っていました。
だいぶ話が長引いてしまいましたね。そんな経過がありつつ、10年以上越しで今現在は作業効率がトップクラスに効率化されている状態です。いちをわが社で使用しているディスクグラインダーとサンダーの刃の組み合わせをリンクで紹介しておきます。
高出力の低速高トルクタイプのディスクグラインダーはこちらから
最後に
カップブラシの話からだいぶ派生しましたね。正直カップブラシは塗装だと、鉄骨関係のケレンくらいにしか使うところがないかもというのが今までの現場での印象です。
カップブラシの耐久度は群を抜いて高いものの、削るという点において最弱のスライムクラスだと思います。最近だとケレンよりも剥離剤などの使用も多くなっている印象もあるので、また一段ケレンについて考えるポイントがあると感じています。
今のところケレンの作業効率や時間単価圧縮など、この記事で気になることがあればディスクグラインダーの変更かサンダーの刃の変更を検討してみてください。