こんにちは、マツと申します。今回が塗装の現場作業で、今では手放せなくなってしまったミニローラーの話をしていきたいと思います。
あなたはすでにミニローラー使っていますでしょうか?最近ではハンディータイプのスプレーガンも一定層に人気があるそうですが、私のような刷毛至上主義だった会社の人間からすると、ローラーを使うだけでも格段な進化なわけです。
もちろんローラー自体は塗装屋さんに入ったその時からあったもので、刷毛で塗るより広範囲を均一で塗装できる分作業性が向上することがわかっていましたが、基本的にローラーを使うにしても刷毛で細かいところはダメ込み。その後ローラーで全体を仕上げるような流れが一般的です。
そんなある程度は刷毛作業が必要という範囲を、さらに縮小してくれるのがミニローラーです。
もちろんもうミニローラー使ってるけど?って人からすると今更な話になりますが、まだミニローラーってよくわかんないんだけどって人は、今回の内容を良ければ読んでいってください。
では本題に入っていきましょう。
刷毛作業が一番時間と手間がかかる作業
塗装作業をやったことがある人ならわかると思うんですが、塗装作業の中で結構面倒で手間がかかる作業が刷毛で塗る作業です。スプレーガンやエアレスでの吹き付け作業を除くと、基本的に刷毛かローラーかという作業内容になりますが、ローラーと刷毛を比較すると断然刷毛作業が大変なわけです。
大きいサイズの刷毛もあったりしますが、持ち運ぶのに負担が大きかったり、そもそも取り回しがしにくくて塗るのが疲れるとか、刷毛作業部分の効率化は塗装作業全体の効率化を意味すると私は思います。
そんな刷毛作業を減らす方法を考えてみると、そもそも刷毛を使わず塗装ができるのであればそれで済むというわけです。もちろん養生をしっかりして他に飛散しないように対策すれば吹き付けで対応するということもできるでしょう。
ただ吹き付け作業をやったことがある人ならわかると思いますけど、養生作業が結構大変なんです。なんといっても塗装する場所以外にも塗料が飛散するのが普通な吹き付け作業なので、養生作業の範囲も格段に広くなるというわけです。
まぁ人によったり会社によっては雑な養生で周りに飛散しても気にしません。っていう強メンタルの方もいるみたいですが、ちゃんとした塗装屋さんであればそこは養生して対応して欲しいものです。
若干脱線しましたが、塗装作業を効率するのであれば、いかに刷毛作業を減らせるかというのがポイントになるというわけです。
作業の基本は刷毛かミドルローラーか
塗装作業をしたことがある人なら、塗装作業は基本的に刷毛かミドルローラーを使用していると思います。最近SNSなどを見ていると軽量化だったり、作業負担の軽減としてスモールローラーを使っている会社さんもあるみたいです。
ローラーのサイズとしては基本的に1インチごとにサイズが変わるんですが、ミドルローラーは7インチというのがベースです。それ以上のサイズもあったりしますが、使い勝手が非常に悪くどうやって使うの?って私は思いますが、防水屋さんなどは大きいサイズの方が作業効率が上がるかもしれませんね。
でミドルローラーと比較に上がるのがスモールローラーですが、私が所属する会社では以前はスモールローラーといえばベースは4インチもしくは6インチでした。まぁ軒天井や細かなところを塗装するのであれば、6インチくらいが作業しやすく取り回しも簡単なんですが、それ以外の細かいところとなると4インチがベースでしたね。
4インチの活躍機会が多い場所としては、私が住んでいる青森県内ではトタン屋根が主流ということもあり、トタン屋根の破風板なんかはこの4インチサイズが大活躍していたんです。
ひと昔前は破風板も刷毛ですべて塗装していて、刷毛で塗装できないやつは技術が低い!なんてマウントをとっている時もあったくらいです。まぁ塗装できるかできないかでいえば技術的にはできた方がいいですが、塗装の効果と作業効率を考えると、刷毛だけが正義みたいな考えは時代遅れだよなと思います。
ここ数年目立ってきたのがミニローラー
最近ではミニローラーだけでなく、さらに小さいミニミニローラーなんかもあったりと、徐々に刷毛を使わない方向にシフトしているように感じます。
先ほども言った通り刷毛作業が塗装作業の一番負担が大きい部分で、作業時間もかかる部分なのでその作業が少しでも減るのであれば、ローラー化が一番手っ取り早いというふうに考えます。
実際にミニローラーやらミニミニローラーなんかも使ってみると、格段に刷毛で塗るより早いですし、基本的に一定の膜厚をキープできるのが完全なる利点ですよね。
仕上がり面でいえばモコモコするローラーパターンが気になる人は気になるかな?と思いますが、それをいえば刷毛で塗装した時の刷毛目だったり、塗り重ねの部分なんかを考えるとどうにもローラーに勝るものなしという感じかなという印象です。
もちろん均一な仕上がりという点においては吹き付けも一考の余地がありますが、吹き付けの欠点は吹き付けするためにどうしても塗料の粘度を薄くして吹ける状態にする必要があります。この結果として膜厚という塗料の厚さがキープできにくくなり、何度も吹き付けて膜厚を確保したり、エアレスを使って多少1回の膜厚を厚くするという対策をしたりします。
先ほども言った通り吹き付けるとなると、周りへの飛散リスクは格段に高くなりますし、養生の負担も多くなるのでよっぽどでなければ手作業で塗装する方が無難だと思います。
作業効率を上げることで低人数でも作業効果を高めることができる
私の住んでいる青森県内だけの話なのか全国的な話なのかはよくわかりませんが、ここ数年建築業界の人口減少が加速度的に進んでいます。塗装屋さんもその限りではなくて、正直塗装屋さんはいるにはいるけど、数多くの塗装屋さんが高齢化していたり、若者の塗装屋さん離れが進んでいたりと、職人1人に対する塗装の負担が増えているように感じます。
最近は物価高の影響もあるのか、塗装しようとするお客様の数自体も減っているように感じるし、お客様の総量自体も以前に比べて格段に少なくなった印象があります。
これまた脱線が過ぎましたが、作業効率を図ることで1人あたりの作業のベースを高めることができます。もちろん塗装技術の高さも作業効率に直結する部分ではありますが、それ以外に道具を変えることで作業効率できる部分も大きいです。
そんな隠れた作業効率改善アイテムの1つに、ミニローラーやミニミニローラーが活躍してくれます。
私自身も最近は塗るのほとんどローラーでやってるよ!って言っている職人を鼻で笑っている節がありました。ただ実際自分でローラーも使ってみて、刷毛とローラーの作業効率の違いを比較してみると、やはり道具による作業効率の改善は計り知れないと感じます。
私のお気に入りのミニローラー
私の会社も新しい道具の導入は遅い方ではあるので、さらに効率化している会社さんや職人さんも多いとは思います。
ですが私自身もいち職人ということで、私が実際に使って調子のよかったミニローラーを紹介してみたいと思います。
材料屋さんに聞くともうすでに廃盤で商品がない!って言われてしまったんですが、「マイクログランデ」ってローラーがSNSの評判がよくて気になっていました。これは一度試さなければ!と社長に直談判して導入をお願いしたんですが、材料屋さんにもうグランデはないんです。って言われたんですよね。ネットで調べれば普通に売ってるんですが、理由はわかりませんが材料屋さんが卸さない以上我慢です。
そんな状態で材料屋さんが紹介してきたのがグランデの代わりとしてメーカーが紹介したのが「マイクロエイト」というローラーです。なんだかよくわかりませんがローラーの毛丈の主流が13mmっぽいんですが、このマイクロエイトは13mmは今まで使っていたマイクロエースの13mmと比較すると格段にモコモコ具合がすごいです。
そんなマイクロエイトですが、一番使い勝手がいいサイズが毛丈10mmです。若干使う材料によってはヘタリ具合が早くて13mmの方が良いか?と思いますが、通常の溶剤の塗料であれば10mmの毛丈で作業効率がよくなると思います。
マイクロエイトの13mm自体はモコモコぐらいがすごいので、荒面などでは活躍しそうではありますが、正直モコモコ具合が強過ぎて材料のコシ取るのが大変です。私はコシ取るアイテムなんかを使うのを嫌うのでつけ過ぎた塗料をコシ取るのが大変な道具は正直嫌いです。(作業の手数のが増えるのは基本的に作業効率の低下に直結しますからね)
で私が今まで作業していた刷毛作業を効率化するローラーで今一番調子がいいのがマイクロエイトを使用した毛丈10mmの3インチローラーです。社長的には4インチローラーの方が作業効率がいいというんですが、私の場合には3インチが最良の選択だと思います。
もちろん広い面を塗装するとすると、ローラーのインチサイズが増えた方が作業効率が良くなるのは当たり前の話です。ただ刷毛に変わるミニローラーという視点で考えると、現状3インチが私の中の最良の選択になりました。
3インチが使いやすい点を紹介すると、さげつに直でミニローラーを入れてもローラー自体がほとんど重くなく邪魔になることがありません。また4インチでもミニローラーであれば取り回しの分に関しては問題ないんですが、4インチと3インチの大きな違いは材料のコシ取る作業の負担です。
3インチのローラーの場合には丸いさげつに擦り付けても半分以上の材料をコシ取ることができます。それが4インチになると半分以上コシ取れずに余った材料の扱いに困るということが多かったです。社長は基本的にコシ取る道具を普段から使っている人なので4インチだろうが問題なくコシ取ることができますが、いらぬ道具を使わず作業効率を上げるというポイントに絞ると、3インチの右に出るものはいないと私は思います。
今まで主流だったマイクロエース(ローラー)の話
マイクロエースって知ってますか?だいたいの塗装屋さんで使っているような印象がありますが、エースとつくだけあって安定感が違います。へたりにくいと言ってもいいかもしれませんね。
ローラーの種類によってはやたらにへたるものもあって、使っている最中にローラーを交換したくなるものもあります。その点マイクロエースに限ってはへたることがほとんどなくて、作業の初めから終わりまで問題なく使い続けれるものになります。
ただ1点気になることがあるんです。それが良さでもあり欠点でもあると私自身は思うのですが、マイクロエースの気になるポイントはローラーとしての遊びがないんです。もちろんマイクロエースも毛丈がたしか最大23mmくらいまでラインナップがあると記憶しているので、毛丈による柔軟性があると考えることができます。ただ条件を揃えて比較すると、マイクロエースは他のローラーと比較すると遊びが少ないものになると思います。
たとえば毛丈13mmで6インチのローラーだったとすると、マイクロエースはどの面も均一に塗れる点にメリットがあるといえます。ただその反面荒面などに対応しにくいように感じます。テーブルなどの平面を仕上げる時にはマイクロエースは本領を発揮しますが、建築現場などの平面が少ない現場では多少のローラーの遊びがほしくなるものです。
その分遊びがマイクログランデにあるのかな?と期待したんですが、グランデではなかったですが、マイクロエイトでも十分の遊びがあって塗装していて作業がしやすいです。
別件だけどサマーセールで買ってみたら神アイテムだったものを紹介
これは完全に別件なので興味ない方はスルーしていただいてOKです。
内容としては高圧洗浄機のオプションアイテムです。私の所属する会社ではセイワの高圧洗浄機を使用していますが、前々から存在は知っていたアイテムがサマーセールで少しお得?に出ていたので社長に買ってもらいました。
買ったアイテムが「首振り」と「圧力調整」の2つのアイテムです。
商品自体は別々のアイテムですが、実際に洗浄作業をしてみるとこの2つは2個セットで効果を発揮するタイプだなと思います。
洗浄の洗う向きを調整する先端ノズルの首振りに関しては、今まで一定方向からしか洗浄できなかったものが首振りを追加することで、塗装する面に対してほぼ垂直に洗うことができます。
塗装作業もそうですが基本的に面に直角にあたるのが一番効果があるんですが、これが先端ノズルの角度を変えれることで、だいたいどんな面でも直角に洗うことができるようになります。
また圧力調整も今までは洗浄機本体に戻って圧力調整していました。それが洗浄のガンに直接調整可能にするアイテムを装着することで、今まで圧力が強くて洗いにくかったところにも、その場で手元で圧力調整できるので非常に便利です。
そしてなんで2個セットの話をしたかというと、先端ノズルを首振りすると圧力が強い状態で使用すると、洗浄ガン自体が圧力で旋回して振り回されてしまいます。そんな状況を改善するように圧力調整で少し圧力を下げてあげることで、旋回して振り回されることがなくなるので洗浄する人が安全に作業できるようになります。
話が脱線しましたが、今年のサマーセールで発見しためっちゃ作業効率がよくなるアイテムだったので追加で紹介してみました。
最後に
今回はミニローラーを食わず嫌いしていた我が社が一度使い出したら、作業効率爆上がりの仕上がりは均一になるわでいいとこづくしだったので、今回の記事を準備してみました。
もしかしたらまだ世の中の塗装屋さんの中にはローラーより刷毛でしょ!みたいな職人さんも数の中にいるかもしれません。普通に現場の作業効率が格段に改善するので、一度導入してみることをおすすめします。
正直ミニローラーなんて1本300円くらいです。ぶっちゃけ作業効率が悪い職人の人件費の方が単価が高いんですからミニローラー300円高いな。とケチるんじゃなくてトータルバランですで導入を検討してみてください。
マジで塗装屋さん全体のパフォーマンス向上しますから。
だいぶ長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。