近頃の塗装業者はほとんど高圧洗浄機を使用して、塗装前に洗浄しているところが多いと思います。今回はそんな塗装業者が実際に使う高圧洗浄機を紹介していこうと思います。
私が所属する会社は入社以前から高圧洗浄機を使っており、私が入社してからも10年以上経過し、高圧洗浄機だけで合計4台も所有しています。
そんな会社での高圧洗浄機の使用経験から、使いやすい高圧洗浄機の種類や使用した方が便利なアタッチメントなども、合わせて紹介していきたいと思います。
塗装業者が使用する高圧洗浄機
最近の一般家庭に普及している高圧洗浄機は、CMなどでもよく見るケルヒャーの高圧洗浄機が多いと思います。そんなケルヒャーですが、塗装業者が使用する高圧洗浄機と比べるとけた違いのパワーの開きがあります。
塗装業者が使用する高圧洗浄機は「精和産業株式会社」のものを使用しています。会社で所有している高圧洗浄機はすべて「精和産業株式会社」のものになっています。もちろん部品の互換性の問題もあるので同じメーカーになっているのもありますが、アタッチメントのバリエーションも豊富なので使い勝手がいいメーカーです。
他の高圧洗浄機を扱うメーカー
私の所属する会社は「精和産業株式会社」のみになっていますが、高圧洗浄機自体は複数の会社で製造・販売されています。とはいっても、家庭用のケルヒャーのような小型タイプのみを扱っているメーカーや備え付けタイプで移動できない固定式の高圧洗浄機のみ販売しているメーカーもあります。
実際塗装業者などの現場を移動して持ち運ぶ必要があり、仕事の条件を満たす高圧洗浄機を販売しているメーカーは、次の会社だけになります。
- 本田技研工業株式会社
- 精和産業株式会社
- スーパー工業株式会社
この記事を書き上げるために、他社の製品やアタッチメントも調べましたが、結果的に様々な業務に柔軟に対応できるのはやっぱり今使用している「精和産業株式会社」1択になるかと思います。
あまり複雑な条件がなく、単純に洗えればいい。みたいなものであれば各社問題なく使えると思います。
そもそも高圧洗浄機はどんな用途で使うのか?
そもそも高圧洗浄機はどんな用途で使うと思いますか?もちろん洗浄機というだけあって、洗浄用で使用するのですがケルヒャーのパワーでは圧力不足という話もしました。高圧洗浄の用途を確認しましょう。
- ゴミ・ほこり・黄砂の除去
- 水垢・コケの除去
高圧洗浄機の用途はこんな感じです。まぁーほぼほぼ想定通りだったでしょうか?ケルヒャーなどの一般家庭用がどこが問題なのか。そこも説明します。
一般家庭用の高圧洗浄機、もしくは業務用でも低圧力の高圧洗浄機については、水垢・コケの除去を行ううえではパワー不足になります。具体的に仕事で使うにはどの程度高圧洗浄機の圧力が必要かというと、圧力の単位が「MPa」というんですが、最低でも「15MPa以上」は必要です。
私たちの会社ではすべて「15MPa」以上のものを使用していますが、それでも高圧洗浄機だけではコケや水垢が落ち切らず、ケンマロンなどの研磨材を使用して汚れを落とす場合もあります。
洗浄しないと何が問題なのか?
そもそも塗装前に洗浄しないといけないのか?ここも説明していきます。
塗装前に洗浄を行い、ゴミや汚れなどを事前に落としておかないとどうなんでしょうか?大げさにわかりやすく説明すると、たとえば塗料を砂場にまいて砂は一切動くことなく固まるでしょうか?もちろん塗料の付着した砂自体は塗料の硬化とともに動かなくなりますが、さらに下の砂は今までと変わらず動く状態にありますよね?
洗浄しないで塗装するのは、砂に塗装するようなもので、塗装するのに大切な下地との付着性が悪くなります。塗装前にしっかり洗浄し、ゴミや汚れがない状態で塗装することで、下地と塗装する塗料がしっかりと密着+硬化することで、保護したいものを長くキレイに保てるようになります。なので高圧洗浄は、塗装前の大切な下準備の作業になります。
会社の先輩職人たちが若い時には洗浄しないで塗装するのが、当たり前だった時代があるそうなんですけどね。
高圧洗浄機で便利なアタッチメント
高圧洗浄機にはさまざまなアタッチメントがあります。精和産業株式会社の回し者ではないんですが、精和産業株式会社の高圧洗浄機のアタッチメントは本当に数が豊富です。
10年以上この業界にいますが、使ったことがないアタッチメントが本当に多くあります。とはいえ、私たちが現場で使用していて標準装備以外で便利なアタッチメントを紹介します。
- ランス
- フロート弁
- クリアフィルター
- スーパーターボノズル
- ホースドラム本体
ここで紹介しているのは精和産業株式会社で提供しているアタッチメントで、他社でここまであるかはわかりません。
それぞれどんなところが便利なのか紹介します。
ランス
ランスは洗浄する人が持つ洗浄ガンという握りの先につける水の吹き出し口につけるアタッチメントです。
高圧洗浄機の特性上、水の吹き出し口から洗浄面までの距離が遠いと圧力が下がる傾向があります。そのため、極力洗浄面と近い位置で使うために洗浄ガンとの距離を調整するアタッチメントがランスです。
私たちの会社では90cmのランスと10cmのランスと2種類をメインに使用しています。標準で付属しているランスは40cmというランスで、正直住宅で使用するには一番中途半端なサイズです。車を洗ったりするなら40cmのランスかな?という印象ですね。
フロート弁
フロート弁は水道水から供給した水を一度バケツのような容器に一度貯めたところから、洗浄機で送り出します。ただこのフロート弁がないと水道水の水の量が多いとき、洗浄中にバケツから水が大量に流れ出して無駄に水道代がかかってしまいます。それをこのフロート弁を使用することで、必要な量だけ水を供給できるように調整してくれるので、水がバケツから溢れ出して急いで止めに走ることがなくなりました。
クリアフィルター
クリアフィルターは高圧洗浄機に取り込む水をろ過するためのフィルターです。というのも案外高圧洗浄機は繊細で、水にゴミや汚れが入った状態で吸い込むと、洗浄機内部が詰まって動かなくなるトラブルが発生します。
そんなトラブルがないようにクリアフィルターを事前に取り付けておけば、高圧洗浄機に不要なものを吸い込む心配がなくなります。
スーパーターボノズル
スーパーターボノズルも便利なアイテムです。私たちの会社ではロータリーなんて呼んだりしますが、噴射口から水が円を描いて吹き出します。これによって、単純に水を吹き出すときよりも汚れや剥がれなどを強力に取り除いてくれます。
スーパーターボノズルは結構危険で、これを付けただけで吹き出し口から出る水の圧力が格段に上がります。洗浄中は長靴で作業していますが、間違って長靴に吹き出した水があたると非常に痛いです。
ホースドラム本体
ホースドラム本体は、洗浄ガンを取りまわす際につなげるホースを巻き取るためのドラムです。これは高圧洗浄機購入と同時に購入したいものの1つです。というのも、高圧洗浄機のホースはワイヤー入りで非常に扱いにくいからです。
ホースドラムがないと、洗浄終了のたびにワイヤー入りの硬くて非常に重いホースを巻き上げる必要があり、骨が折れる作業です。なので、ホースドラムがあるだけで、巻き上げが非常に快適になるのでぜひ一緒に購入していただきたいものです。
最後に
今回は塗装業者が使用する高圧洗浄機について記事をまとめさせていただきました。
記事の内容がメーカーの偏りなどがあって、比較がしにくい記事になってしまったかもしれません。ですが、実際に10年以上塗装の現場で使用してきた情報を記事にまとめさせていただいたので、少しは参考になる内容になったかと思います。
少し長めの内容でしたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。