道具の選び方

【現役職人が解説】塗装職人はどんなメーカーの道具を好むのか?

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塗装業界歴が10年を超えた私マツが、塗装職人がどんなメーカーの道具を好んで使うのか話していきたいと思います。

一般の方と職人の違い

一般の方が塗装される時はホームセンターに行って道具を買い集めたり、安く済ませようと思うと、100均などで道具を買い集める人も多くいると思います。一般の方と同じくホームセンターやら100均などで買いそろえる業者もいると思いますが、基本的には材料店を通して道具を購入します。

本職が買いに求める材料店はもちろんホームセンターなどで買い揃えられるものとは違って、価格も品質も桁違いのものが手に入ります。もちろん地域性や店舗によって品揃えが違うとは思いますが、求めるレベルに応じて選ぶメーカーや商品が変わってきます。

職人が選ぶメーカーとは

今回はざっと道具別に選ぶメーカーを紹介していきたいと思いますが、大きくメーカーが異なるのが刷毛についてで、それ以外のメーカーは全国的にほぼ1択ではないかと思います。

刷毛以外の塗装に使う道具は全般的に「大塚刷毛製造株式会社」(通称:マルテー)を使用しています。塗装に使う各種道具はほぼすべてこの1社で準備できると思います。

私マツは建築塗装が専門になりますが、もちろん仕事の大半が大塚の商品を使って仕事しています。私たち以外の他社でもほとんどが大塚の道具を使用していますね。なので、塗装の道具を買い集めるなら「大塚刷毛製造株式会社」で揃えると間違いない!という感じです。

さて、もったいぶった刷毛の話をしていきたいと思います。最近はおそらく全国的に刷毛よりもローラーをメインに使用して塗装の仕事している業者も多いと思います。

SNSのTikTok、YouTubeなどでも塗装業者の仕事を見ていると、大半の仕事をローラーでこなしているように思います。ローラーは素人でも扱いやすく、塗りムラが出にくく均一に塗れるのが特徴です。とはいいつつ私もまだまだケツが青い職人の部類だと思いますが、ローラーよりも刷毛から仕事を覚えたタイプなので、刷毛にはかなり気を使って仕事しています。

職人のこだわりがでる刷毛

素人には扱いにくく、職人でもこだわりがでる刷毛の話を進めます。

もちろんこの記事にも賛否あることと思いますが、先ほどの道具の紹介でもあった「大塚刷毛製造株式会社」の刷毛が一番メジャーになります。会社によって使う刷毛が違ったり、サイズが違ったりとかなり好みが分かれると思いますが、基本的に塗装の刷毛を選ぶならまず「大塚刷毛製造株式会社」からになります。

大塚刷毛製造株式会社以外にも私たちが利用している会社が他に2社あります。1つ目が「井澤刷毛所」です。もう1つが「好川産業」です。

さっそくおすすめから紹介していきます。ぶっちゃけ値段が高い!でも、仕事において全幅の信頼をおけるのが「井澤刷毛所」の刷毛です。簡単に言うと、「しっかりした刷毛」を提供しているのがこの井沢の刷毛です。おいおい!井沢の字が間違ってるよ!と突っ込まれそうですが、刷毛に印字されているのも「井沢」で職人の間でも井沢でだいたい通じます。

しっかりした刷毛とは?

しっかりした刷毛ってなに?って思われるので、少しかみ砕いて話します。職人が刷毛に求める基準がいくつかあるのですが、ざっとこんな感じです。

  • 刷毛の毛のまとまり
  • 刷毛のラインのとりやすさ
  • 1回で刷毛が塗れる距離
  • 取り回しのしやすさ

こんなところかなと思います。

塗装の仕事ではひとくくりに塗装と言っても、下塗り・中塗り・上塗りなんていう工程があります。そして上塗りともなると、仕上げ仕事になります。下塗りや中塗りなんていう仕事においては、刷毛の毛のまとまりは大して気にしないところではありますが、仕上げの上塗りともなると毛のまとまりがなければ綺麗に仕上げることができません。なので、毛のまとまりとラインのとりやすさは、同じ基準で選ばれるものになります。

また刷毛によって塗料を付けたときの1回あたりの塗れる距離+幅が全然違います。なので、その辺も刷毛によって選ばれるものが変わってきます。

最後に刷毛の取り回しのしやすいさが、刷毛のサイズによって大きく変わってきます。一般の方にしたらみんな一緒じゃない?と感じるかもしれませんが、同じ種類の刷毛によっても号数が振られていて、同じ刷毛のサイズ違いもかなりあります。

井澤刷毛所

「井澤刷毛所」の刷毛は大半が上塗りの仕上げ向けの刷毛です。もちろん中には下塗りや中塗りで使用される刷毛も販売されていると思いますが、私たち職人としては井沢=仕上げ刷毛という感覚です。

好川産業

あまり使われている会社やメインで使用しているところが目につかないのが、「好川産業」の刷毛です。とはいっても、好川の刷毛は扱いやすいものが非常に多く、「井澤刷毛所」から比べると安価で、上塗りの仕上げに使える扱いやすい刷毛も多いという印象があります。

各刷毛メーカーの活動

もちろんどのメーカーもさまざまな刷毛が販売されており、年々新しい刷毛も開発されています。新発売の刷毛が使いやすいか?と言われると、そういったこともなく、やはり使ってみるとアタリハズレがあるのが刷毛だったりします。

もちろん道具のアタリハズレは刷毛だけでなく、どの道具についても同じことが言えます。なので、会社によって好まれる道具が分かれてきて個性が出てきます。

最後に

今回は塗装職人が好むメーカーについてひとつまとめさせていただきました。わかりにくいところもあったと思うので、最後にざっとまとめて終わりたいと思います。

まず塗装の道具を揃えるのであれば「大塚刷毛製造株式会社」を選ぶと間違いない。そして、刷毛を選ぶなら道具と同じく「大塚刷毛製造株式会社」を使ってみるといい。さらに上を目指して刷毛を選ぶなら、最上級のおすすめは「井澤刷毛所」です。比較的安めで扱いやすい刷毛を探すなら「好川産業」になります。

道具を揃える予算が潤沢にあるのならできれば「井澤刷毛所」の刷毛で揃えたいものです。若干予算が気になるようでしたら「好川産業」も検討していただきたいです。なんだかわけわからないけど、塗装の道具を集めたいなら「大塚刷毛製造株式会社」。

こんな感じでこの記事は締めたいと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。

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