あなたはスキーブーツの調整ってしていますか?
今回記事で取り上げせてもらうのがスキーブーツのカント調整です。えっ?カント調整ってなに?という方にも分かるように、ついこの間までカント?なにそれ?!と思っていた私が解説するので大丈夫です。
ひとまずカント調整が正しく調整できるとどうなるのか効果を紹介しておきます。
- スキーブーツで立っていても疲れにくくなる
- スキー操作が格段にやりやすくなって、簡単に滑れるようになる
- スキー後にドッとくる変な疲労感や身体への負担が格段に軽くなる
- エッジングの食い込みが格段に良くなり、カービングターンのキレが増す
なんだかわからないカント調整ですが、効果の大きさは上のポイントを見てもらえると一目瞭然だと思います。調整した直後から違和感が消えたり、動きやすくなったりと、効果の体験が早いのがカント調整です。
ひとまずこの記事を書いている私が誰なのか紹介しておきますね。
私マツは現役スキー場のパトロール隊2年生です。なんだ、2年生って新人じゃん!って突っ込まれそうですが、スノーボード歴は12年以上。スキーは幼少期からやっていて、一時期休止期間がありましたがパトロール隊に入った1年目はボーゲンスタートだったレベルが、1シーズンでパトロールの大ベテランから、あの人昔スキー選手だった人?と聞かれるレベルまでステップアップしたスキーヤーに成長しました。
そんな私は暇があればデモンストレーターやプロスキーヤーの滑り方の研究や、道具の調整もひたすら探求する暇人だったりします。
少し自己紹介が長かったですが、そんな私が今回カント調整について分かりやすく説明するように頑張ります。
ひとまずカント調整をすると何が変わるのか?
まずカント調整を行うと何が変わるのか。このポイントを押さえておきましょう。
スキーブーツは購入直後は、カント調整が0(ゼロ)の状態で販売されています。多くの方がブーツの寿命を終えるまで、カントは無調整でブーツの生涯が終わります。これ非常にもったいないブーツの使い方なんです。
最初の方にも説明しましたが、カント調整をするだけでスキーするのが楽になったり、ターンのキレが増してスキーが楽しくなったり、無駄な体の負担が減るので、スキーを楽しめる時間が増えたりと一石何鳥にもなる体験ができるんです。
話を戻してカント調整すると何が変わるのか?ですが、カント調整するとブーツの左右の角度が変わります。ブーツの左右の角度と言われてもよく分からないですよね。カント調整すると強制的に膝の位置を内側に寄せたり、外側に向けたりすることができるんです。
えっ?なんかカント調整ってよさそうに聞こえないけど?と思われると思いますが、その逆です。カント無調整のブーツは身体の負担がかかる膝の位置を強制させている可能性があるという話です。それをカント調整を通して、負担が少ない位置に膝を誘導してあげるといったイメージです。
少しカント調整をわかってもらえたでしょうか?
カント調整はなぜ必要なのか?
なんとなくカント調整についてつかめてきた方には、そもそもなぜ調整が必要かも知っておいた方がよいのではないでしょうか?
ここではカント調整がなぜ必要なのかを紹介していきます。
カント調整の説明の前に、そもそもスキー操作について理解してもらう必要があります。基本的にスキーを滑る時には、次の道具が必要ですよね。
- スキー板
- ビンディング
- スキーブーツ
最低でもこの3つはスキーを滑る時に必要です。この道具はそもそも設計段階であるルールに従って準備されています。そのルールはこれです。
- スキー板を基準にセンター(中心)で正しく操作すること
なんだかわけがわからないですかね。スキーで滑る時には左回り右回りと左右でカーブして滑りますよね?ということで、スキー板はセンター(中央)を基準に左側と右側をうまく使ってターンして滑っているということになります。その時に案外重要になるのが、スキー板のセンターです。
スキー板は左右を基準にしたセンター(中央)も設計されていますし、前後を基準にした荷重点になるセンターも設計されています。
スキー板に固定されるビンディングも、もちろんセンターがしっかり設計されて固定されます。
さてスキー板とビンディングはセンターに設計されて固定されていますが、その上に固定されるスキーブーツは、はたしてセンターに固定されているでしょうか?
先ほど紹介した「スキー板」「ビンディング」「スキーブーツ」は設計上、購入時にはセンターがしっかり設計されてセッティングされています。ここで1つ問題があります。
スキーブーツを装着する人間の方は、正しくセンターが決まっているでしょうか?
道具が正しくセンターに決まっていても、それを使う人間の方は人によって千差万別でセンター位置が異なります。ここは当たり前ですよね?
人によって骨格も違えば、肉付きも違う。また体の癖も違ったりと、人によって重心位置にあたるセンターは違います。となれば、スキーを扱ううえで一番体に近いスキーブーツを調整してセンターを合わせましょう。という話です。
だいぶ話が長くなりましたね。ひとまずスキーブーツのカント調整がなぜ必要か少しはわかってもらえたでしょうか?
本題のカント調整のやり方について
この記事の本題になるカント調整について説明します。カント調整はスキーブーツを手元に置きながら見ていただければと思います。
スキーブーツの側面に六角穴がありませんか?背面にも六角穴があると思いますが、カント調整は背面のものは使いませんので、左右にあるもので調整します。
ざっとポイントを紹介します。
- スキーブーツの側面にある六角穴を緩めてカントを調整可能な状態にする
- 六角穴の外側にさらにカント調整用の穴があるので、左右に最大90度回転させて調整
- スキーブーツのセンターと膝頭の中央がほぼ同じ位置にあるところでカントを調整
- カント調整が終わったら、六角穴を締めなおしてカントを固定する
こんな手順で調整します。これはメーカーによって多少仕組みが違うものがあるので、そこはメーカーの説明書なりを確認しながら調整してもらいたいと思います。
少しポイントを補足します。
- カント調整はひとまず外側のカント調整で調整する
- 外側のカント調整だけではセンター位置がズレたときに内側のカント調整もさらに行う
スキーブーツのカント調整はひとまず、外側にある部分だけで調整してください。必要もないのに過剰に調整する必要はないので、ひとまず外側のカント調整だけで様子をみましょう。
カント調整後の確認について
カント調整後にスキーブーツが快適になっているか確認しましょう。この確認方法は我流の確認になるのであくまで参考程度に試してみてください。
- ブーツ内の足裏の底の接地状況を確認(変な浮きなどがないかチェック)
- ブーツを履いた状態で膝腰をくの時に曲げて、荷重してみる(膝などに違和感なく荷重できるか)
- その場で軽くジャンプ(着地時にブーツの底全体で接地しているか確認)
- 肩にぶら下がってもらって、膝腰を曲げた状態でバランスが保てるか(安定して支えられるか)
こんなポイントを確認してもらえると、カント調整後が上手く調整できたか確認することができます。この確認ポイントを意識して、さらに実際にスキーを滑ってみると効果と劇的な滑りの変化を体感できると思います。
最後に
今回は私を初めスキー場のパトロール隊全員が調整することになったスキーブーツのカント調整について、この記事を読んでいただいたあなたにも紹介したくて記事にまとめました。
スキーを何十年と乗ってきた大ベテランですら、いまだにカント調整?なってなるポイントです。カントを改善するだけで、滑りと疲労と楽しさが劇的に改善するのでお勧めです。
少しでも参考になる情報が提供できていれば幸いです。スキーブーツの調整以外にもスキーブーツ内の調整として、インソールも別に購入して変更して使用しています。インソールを変更するだけでも滑りや疲労度の改善に効果があるので最後に実際に私が使っているものを紹介しておきますね。
少し長い記事でしたがここまで読んでいただきありがとうございました。